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評価:
Donald J. Sobol
Skylark
(1985-04-01)
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シリーズ名:Encyclopedia Brown #1
YL:3.5
総語数:17434語
累計語数:661836語
『
Encyclopedia Brown: Boy Detective』を読む。
博学で頭がまわることから、Leroy Brownはみんなに"Encyclopedia(百科事典)"とよばれて、警察署長のLeroyの父親が捜査している難事件の解決に知恵を貸してきました。5年生の夏休み、Leroyは自分の探偵社"Brown Detective Agency"を開業します。そして大小さまざまの事件がLeroyのもとに飛び込んできます。いくつかの手がかりからLeroyが推理した結論とは…。という内容。
「Encyclopedia Brown」シリーズの1冊目。1冊の中に10の事件が書かれていて、一つの事件は10ページ弱。事件の詳細のなかに手がかりが隠されていて、Leroyが「謎は全て解けた」となるところで本文は終わり、巻末に解答が書かれているというスタイル。そのため1話ずつ推理パズルのように気軽に読める。ちなみに著者のD.ソボルは大人向けに「
2分間ミステリ」シリーズも書いている。
それぞれの推理はそんなに難しくないものの、飛ばし読みしていると手がかりを見落とすものもあって、丁寧に読まないといけない。ということで、推理小説は多読教材には持ってこい。逆に巻末の解答も英語なので、うっかり次の事件の結果を先に読むこともないし。楽しんで英語の本を読むことができる。
Leroyは"Encyclopedia(百科事典)"とよばれているものの、あまり百科事典的知識が文中に書かれてなかった。冒頭に「スイスにある"A"で始まる3文字の川は」という質問にLeroyが即答するシーンがあって、これで普通の男の子とはちょっと違うぞというところを見せているだけ。それと南北戦争で使われた剣の真偽を問う事件で
南北戦争の歴史について触れているくらいか。
そんな"Encyclopedia(百科事典)"なLeroyだけど、事件現場に連れてってほしいと警察署長の父親に"Can I go with you?(一緒に行っていい?)"と聞くと、母親に"
May I go with you?(一緒に行ってもいいですか?)"というように訂正させられたりしている。また"Can I have another piece of pie?(もう一切れパイをもらっていい?)"と聞くLeroyに、母親が"You
may have another piece of pie.(食べてもいいですよ)"とため息まじりに答えるシーンもある。人に頼む時には"Can I 〜?"でなくて、もっと丁寧な表現の"May I 〜?"といいなさいということなのだが、こういった助動詞の"can"と"may"の使い分けがLeroyの母親の言葉からわかる。
それとおもしろかった表現に、"I'll be as quiet as a cat at a dog show.(ドッグショーの猫のように静かにしているよ)"というのがあった。日本語にも「借りてきた猫」という表現があるけど、そんなようなものかな。