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はぴりで 〜Happy Reading Report〜

英語の多読でHappy Reading! 簡単な洋書からレベルを上げていって、100万語を読むことを目指します。
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『The Cat Who Went to Heaven(極楽にいった猫)』を読む。
評価:
Elizabeth Jane Coatsworth
Aladdin Paperbacks
(1990-11-30)
シリーズ名:Newbery Medal Winners(1931)
YL:3.6
総語数:9525語
累計語数:671361語

The Cat Who Went to Heaven(極楽にいった猫)』を読む。

昔々の日本、貧しい絵師の家にお手伝いさんが三毛猫を連れてきました。絵師はその猫に"Good Fortune"と名づけて飼うことにします。しばらくして絵師は寺から涅槃図を描いてほしいと頼まれます。涅槃図とは釈迦の入滅を描いた絵で、そこには釈迦の死を悼むさまざまな動物が描かれています。ただ一つ猫だけは涅槃図に描かれることはありません。"Good Fortune"は絵師のそばに座り、涅槃図が描かれていくのを見ています。その姿はまるで「自分もその絵に描いてほしい」といっているかのようでした。という内容。

1931年のニューベリー賞受賞作品。古い日本を舞台にしたお話で、著者のコーツワースは来日したこともあって、しっかりとした日本が描かれている。というか、作中に取り上げられている日本民話や仏教説話が日本人も忘れているような話も採集されている。そもそも涅槃図に猫が描かれていないという話すら知らなかったです。
ただ表紙イラストや挿絵はちょっとどこの国やらというところもあるなあ。髪型や着物の形が変だったり、畳の上でも草履を履いている挿絵があったり。それと丁寧な日本を描写をするためなのか、"little cakes filled with sweet bean jelly(甘い豆のゼリーが詰まった小さな菓子=饅頭)"といった回りくどい英語があって笑ってしまう。他にも、"cushion"とあったら座布団のこと、"mat"とあったら畳のことだなと読んでいる。そもそも猫の名前の"Good Fortune(幸運)"も日本語では「フク」とかいったあたりだろうし。
それ以外の英語もそれほど難しいところもない。ただ絵師が涅槃図を描いている場面と、動物となった釈迦の前世を語る仏教説話とが、さまざまに交差してくるお話なので、ストーリーを読み取るにはちょっと複雑な構成になっていた。
絵師は三日間の間、王子ゴータマ・シッダールタであった釈迦が出家し悟りを開くという釈迦の人生に思いをはせて、それから涅槃図に取り掛かる。さらに涅槃図に動物を一頭描いていくたびに、その動物にまつわる仏教説話が語られていく。そういったさまざまな仏教説話が集まって、この作品自体が一つの涅槃図となっているんだなあと思った。

日本語訳が『極楽にいった猫』というタイトルで出版されている。短いけどいいお話だったのでこちらもあわせて読むつもり。
極楽にいった猫
極楽にいった猫
エリザベス・コーツワース, 古屋 美登里

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『Encyclopedia Brown: Boy Detective』を読む。
シリーズ名:Encyclopedia Brown #1
YL:3.5
総語数:17434語
累計語数:661836語

Encyclopedia Brown: Boy Detective』を読む。

博学で頭がまわることから、Leroy Brownはみんなに"Encyclopedia(百科事典)"とよばれて、警察署長のLeroyの父親が捜査している難事件の解決に知恵を貸してきました。5年生の夏休み、Leroyは自分の探偵社"Brown Detective Agency"を開業します。そして大小さまざまの事件がLeroyのもとに飛び込んできます。いくつかの手がかりからLeroyが推理した結論とは…。という内容。

「Encyclopedia Brown」シリーズの1冊目。1冊の中に10の事件が書かれていて、一つの事件は10ページ弱。事件の詳細のなかに手がかりが隠されていて、Leroyが「謎は全て解けた」となるところで本文は終わり、巻末に解答が書かれているというスタイル。そのため1話ずつ推理パズルのように気軽に読める。ちなみに著者のD.ソボルは大人向けに「2分間ミステリ」シリーズも書いている。
それぞれの推理はそんなに難しくないものの、飛ばし読みしていると手がかりを見落とすものもあって、丁寧に読まないといけない。ということで、推理小説は多読教材には持ってこい。逆に巻末の解答も英語なので、うっかり次の事件の結果を先に読むこともないし。楽しんで英語の本を読むことができる。
Leroyは"Encyclopedia(百科事典)"とよばれているものの、あまり百科事典的知識が文中に書かれてなかった。冒頭に「スイスにある"A"で始まる3文字の川は」という質問にLeroyが即答するシーンがあって、これで普通の男の子とはちょっと違うぞというところを見せているだけ。それと南北戦争で使われた剣の真偽を問う事件で南北戦争の歴史について触れているくらいか。
そんな"Encyclopedia(百科事典)"なLeroyだけど、事件現場に連れてってほしいと警察署長の父親に"Can I go with you?(一緒に行っていい?)"と聞くと、母親に"May I go with you?(一緒に行ってもいいですか?)"というように訂正させられたりしている。また"Can I have another piece of pie?(もう一切れパイをもらっていい?)"と聞くLeroyに、母親が"You may have another piece of pie.(食べてもいいですよ)"とため息まじりに答えるシーンもある。人に頼む時には"Can I 〜?"でなくて、もっと丁寧な表現の"May I 〜?"といいなさいということなのだが、こういった助動詞の"can"と"may"の使い分けがLeroyの母親の言葉からわかる。
それとおもしろかった表現に、"I'll be as quiet as a cat at a dog show.(ドッグショーの猫のように静かにしているよ)"というのがあった。日本語にも「借りてきた猫」という表現があるけど、そんなようなものかな。

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『The Ink Drinker』を読む。
評価:
Eric Sanvoisin,Georges Moroz
Yearling Books
(2002-02-12)
シリーズ名:Ink Drinker #1
YL:4.2
総語数:2340語
累計語数:644402語

The Ink Drinker』を読む。

本屋に来ていた奇妙なお客。少年が物陰から様子を見ていると、そのお客がストローを使って本からインクを吸いだしているのです。さらにそのお客のあとをつけていくと、行き先はなんと墓地。インク壷の形のお墓の中にあるペン先の形の棺の中にそのお客は眠っていました。はたして彼の正体とは…。という内容。

「The Ink Drinker」シリーズの1冊目。ページ数は35ページしかないし、総語数も2340語という短い話なんだけど、なかなか難しい語彙の本だった。読みやすさレベル(YL)が4.2とされているだけはある。ということで、わからない単語が時々出てくるのであちこち読み飛ばしもしたけど、それでもストーリーを追いかける分にはそれほど問題はない。
"Ink Drinker"は文字通り「インクを飲む人」で、そのちょっと変わった発想がおもしろい。ただシリーズ1冊目ということもあって、ストーリーとしてはまだ始まったばかりのところで終わっている。続編も出ているので続けて読んでもいいんだが、それはもう少しレベルが上がってからのほうがいいかな。
英語としては先にも書いたように難易度が高い単語が多い。わからなかった単語だけを書き出しておいて、読んだ後に辞書で確認すれば、語彙力強化には役立つと思う。難しい単語が多くて取り付きにくいと思うけど、ただ逆に文法としてはそれほど難しくなかったので、わからない単語を読み飛ばしするテクニックができていれば、YLが4.2といっても気楽に読めるかも。
ちなみに原作はフランス語で書かれている。もちろん英語に訳されているんだけど、一つだけ"papier-mâché"という単語があった。アクサン記号もついているしフランス語っぽい綴りなので、これは訳し漏れかなと思ったら、辞書で調べてみると"papier-mâché"はフランス語語源のちゃんとした英語で「紙張り子」とかいう意味になる。これはちょっとわからなかったな。

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『Cam Jansen and the Mystery of the Stolen Diamonds』を読む。
シリーズ名:Cam Jansen #1
YL:2.5
総語数:4753語
累計語数:642062語

Cam Jansen and the Mystery of the Stolen Diamonds』を読む。

瞬間記憶能力を持つ少女のCam Jansenは、カメラのように見たものを何でも記憶してしまうことからみんなに"Cam"と呼ばれています。友達のEricと一緒にショッピングモールに来ていたCamは、そこで宝石店からヒゲの男が走って逃げ出すところを見ます。宝石店の中ではダイヤモンドが盗まれる事件がおこっていたのでした。警察はヒゲの男を捕まえるのですが、彼は犯人ではなかったとすぐに解放します。Camは持ち前の瞬間記憶能力で真犯人を探そうとするのですが…。という内容。

「Cam Jansen」シリーズの1冊目。児童書にしてはなかなか凝っているトリックで、ちょっと予想外の展開だった。そうきたかという感じ。
ただCamの特技の瞬間記憶能力が今ひとつ活かされていなかったような気がする。本の紹介文を読んだ時には、作中の挿絵に事件の手がかりが隠されていて、読者はCamと一緒にその場面を記憶し、謎解きのところで「さあ、Camは覚えていたよ、君は覚えているかな」という展開かと思っていた。
瞬間記憶能力で逃げ出したヒゲの男の特徴を瞬時にとらえたり、現場にいた人物の顔を思い出したりというシーンはあるものの、あまりすごいように思えない。もう少しここらへんに特徴があってもよかったかも。
それとは反対に、Ericの弟のHowieがまだ赤ちゃんで乳母車に乗っているんだけど、この乳母車を押しながらの追跡シーンや、あるいはHowieを抱えながら犯人の隠れ家に侵入するシーンなどでは、いつHowieが泣き出すかという緊張感があってよかった。
トリックや追跡シーンの部分がおもしろかっただけに、Camのキャラクターが活かしきれていないのが残念。表紙のイラストのCamはかわいいけど、中の挿絵は別の人が描いていて、Camがかなり怖い顔になっているし。
Camはカメラのように見たものを何でも記憶するのだけど、そのときにカメラのシャッター音のように"Click"と言う。日本語では「カシャ」とか「パシャ」なんだろうけど、英語では"Click"。Camが"Click"というシーンが何回も出てくるのだけど、"Click"という単語からはついついマウスのクリック音のほうが頭に浮かんでしまう。

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『Roald Dahl's Short Mysteries(ロアルド・ダール傑作短編集)』を読む。
評価:
ロアルド ダール
アイビーシーパブリッシング
(2005-07)
シリーズ名:洋販ラダー LEVEL 2
YL:2.0?
総語数:16280語
累計語数:637309語

Roald Dahl's Short Mysteries(ロアルド・ダール傑作短編集)』を読む。

ジャマイカのリゾート地で主人公は、南米から来た老人とアメリカ海軍の訓練生の若者との賭けに立ち会うことになります。老人は、君が勝てばキャデラックの新車をあげよう、そのかわりに君が負ければ君の左手の小指を切り落とす、と言います。その勝負をうけた若者と老人との間で奇妙な賭けが始まるのですが…。という内容。("Man from the South(南から来た男)"より)

ロアルド・ダールの短編集で、上記の"Man from the South"のほか、"Skin(皮膚)"、"The Way up to Heaven(天国への登り道)"、"Mrs Bixby and the Colonel's Coat(ビクスビィ夫人と大佐のコート)" の4本を収録している。ロアルド・ダールといえば最近では『チャーリーとチョコレート工場』などの児童文学が有名だが、こちらは大人向けに書かれた短編小説集となっている。
この本は金谷憲著『忙しい人の多読トレーニング・メニュー』の中で洋販ラダー LEVEL 2のサンプルとして紹介されている。"Man from the South"の冒頭のプールサイドの場面がサンプルとして引用されていて、そこの部分は既に読んだことがあるので楽に読める。ところがそこから先が案外と難しい。さらに2本目以降の話になってくると、一文一文は何を言っているか読めるのだが、一話通してのストーリー展開が理解できなかった。
同じ本なので難易度がそんなに変わるわけではないが、やっぱり読んだことのある話と、全くの初読では理解度がずいぶんと異なるなあ。何回か読んでみてようやくわかってくるという感じ。
これまで洋販ラダーの英語は教科書英語的なイメージがあったのだが、この本では老人がキャデラックをあげようとする場面で、若者が年式を聞くのに"What year is your Cadillac?(何年式のキャデラックですか)"と言うけど、それを理解できない老人に対して、さらに"What year -- how old is the Cadillac?(年式――つまり、そのキャデラックは何歳ですか)"と聞きなおすなど、ちょっとおもしろい表現もあったりする。
ただどうも大人向けのロアルド・ダールは苦手かも知れない。前にO・ヘンリーを読んだ時にも思ったんだけど、なんか人間の暗いところが多くて、今ひとつ読んでみて幸福感を感じられないところが多いからかな。

年末年始にバタバタしていたので、多読もちょっと停滞気味。新年も15日になってようやく1冊読み終えたところ。

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